日本酒は地酒なのか。
- office_asaka
- 2021年10月4日
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「地酒」といえば、日本酒。これを否定する人はいない。
日本全国に日本酒の酒蔵は存在し、その土地で作れらる酒であることで、地酒には違いがないが、その土地土地の独自性が必要なのは言うまでもない。
「GI」の取得を国税庁が主導し、今や全国各地に日本酒の「GI」を取得する地域が増加している。最初に取得した石川県の「白山」が2005年、ようやくと言ったところであるが、いわゆる銘醸地といわれる地域、「西条」、「灘」、「伏見」のうちGI取得は「灘五郷」のみ。その他の醸造地として名を馳せる「新潟」や「秋田」、そして全国新酒鑑評会の金賞受賞蔵数8年連続第一位である「福島」は取得していない。
「GI」には生産基準が設けられており、その土地で醸造されていればよいというものではない。その地域の独自性が必要なのだ。原料米、水、そして気候風土。
地酒にとって気候風土は、最重要であると言いたい。日本酒は寒造りといわれる日本の冬の厳しい寒さが、良い日本酒を醸造することの最大の条件だからだ。また、水も然りである。
昨今の酒蔵の状況をみると、発酵や貯蔵用に温度調整機能の付いたサーマルタンクを使用するのはもちろんのこと、仕込蔵全体や槽場ごと低温調整される酒蔵もある。
これらは皆、良質の酒を造るための選択であると思われるが、せっかくの気候風土を排除し、酒蔵の醸造技術向上は期待できない。消費者本位の酒造りがそうさせる結果となっている。売れる酒を造り続けることで、全国区となり地酒から脱皮していくのである。
地元の方々は、愛着をもって応援できないないのではないかと考える。
以前、国税局の鑑定官室長を努められた方が、「この井戸を掘った先代に感謝しなさい。」と蔵元におっしゃっていたのを思い出す。
ワインはわかりやすい。原料がぶどうだから。ウイスキーも同様に、長期間の貯蔵に気候が影響するから。
日本酒は8割以上が水。そう考えるとその土地由来の原料そのもの。だったら、どんな造り方をしても、「地酒」でいいか。
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