お酒の品目とは
酒類製品のラベル(裏張りなども含みます。)には、内容物の品目を表示が法律(「酒税の保全及び酒類業組合に関する法律」)で定められています。
酒税法では、品目を酒税法第3条第7号から23号までに掲げる酒類の区分をいうこととされています。酒税法第3条第7号から第23号では、「清酒」~「雑酒」までが規定されていますので、例えば、「米、米こうじ及び水を原料として発酵させて濾したお酒」には、「清酒」と表示されることになります。
この品目の表示には、消費者に内容物がどんなお酒なのかを一目で理解していただくためという目的のほか、酒税がどのように適用されているかを確認することもできるようにされています。
ただし、酒税に税率適用は「品目」ではなく、「種類」に応じた適用税率となっていますので、注意が必要です。
税率が区分される「種類」は、①発泡性酒類、②醸造酒類、③蒸留酒類及び④混成酒類です。「品目」を大括りにしたものが「種類」であり、「種類」を細分化したものが「品目」とお考えください。
例えば、醸造酒類の税率は、令和7年3月時点で1,000ℓ当たり100,000円ですので、「清酒」と表示してあれば、この「醸造酒類」の税率を適用し出荷されていることを示しています。
酒類の品目を表示する場合に最も注意しなければならないのは、この「税率適用区分」を意識することです。それは、酒税法第23条では酒税の税率を定めていますが、先に示しましたとおり、「品目」ではなく「種類」別に税率適用を求めているためです。
例えば、発泡性があり、かつ、アルコール分が8%である「清酒」の税率適用はどのようになるのでしょうか。
「品目」は「清酒」となりますが、「種類」は酒税法第3条第3号~第6号の規定から「醸造酒類」ではなく、「その他の発泡性酒類」となります。(同法第4号「醸造酒類」には、カッコ書きでその他の発泡性酒類を除くとされています。)
そこで「その他の発泡性酒類」の税率は、80,000円/1㎘(令和8年9月30日まで)となりますので、「清酒」のほかに「発泡性①」と表示することになります。
仮に「清酒」のみの表示であった場合には、メーカーは高い税率を適用している、すなわち税率適用が誤っていることが想定されます。
税率適用が誤っている場合には、所轄税務署長に対し「更正の請求」を行うことで、取り戻すことができますが、ラベル表示も誤っていることになりますので、該当する製品の全てを表示訂正する必要があります。税務署からは、適正な表示への対応を求められます。具体的な方法の指示はありませんので、メーカーで対応策を講ずる必要があります。最低でも消費者への告知、出荷前のものと酒販店店頭にあるもの(消費者の購入に至っていないもの)は、訂正後の表示とすることを暗に求められます。
※ 「発泡性①」の表示事項は、酒税法等法令解釈通達で示されているものですので、「メーカーに従う義務はない」と主張することもできます。
「品目」の表示に関して、もう一点、予てから疑問に感じている表示があります。
酒税法等法令解釈通達には、「酒類の容器又は包装に商品名等を表示する場合には、他の品目の酒類と誤認されるような表示を行わないこと。」という項目があります。
某メーカーや大手量販店のPB商品名に「焼酎ハイボール」や「ウイスキーハイボール」というものがあります。この製品の「品目」は前者は「スピリッツ」であり、後者は「リキュール」です。共に「焼酎」や「ウイスキー」ではありません。
某メーカーには、何度かお尋ねしましたが、「ハイボールとはなんぞや」のような回答を続けるのみで、納得のいく、当方に言わせれば誠意ある回答はありませんでした。
「焼酎ハイボール」の表示が問題ないとした場合に考え得る理由は、酒税法第3条に規定する焼酎は、同法第9号連続式蒸留焼酎(焼酎甲類)又は同法第10号単式蒸留焼酎(焼酎乙類又は本格焼酎)であり、法令上の規定に基づく「品目」は「焼酎」ではないから、誤認表示には当たらないという主張のみです。
逆にいうと、このような主張でも税務署は認めるということになります。
品目がリキュールで、「ウイスキーハイボール」名の商品は、理解不能です。
理解できるとすれば、「原料に使用した酒類を「商標」に使用する場合は除く」という規定があれば別ですが、存じあげませんので、どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示いただければ幸いです。
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