国税庁はどこへ向かう?(酒屋さんに飲食店との取引停止要請をした件)
- office_asaka
- 2021年7月10日
- 読了時間: 3分
2021年7月8日付で国税庁酒税課は、内閣官房コロナ対策推進室と連名で関係団体に対し、コロナ感染対策として、緊急事態措置区域やまん延防止措置地域での、自治体が行う酒類提供停止を伴う休業要請に応じない飲食店への取引を停止するようお願いする文書を発出した。
現状でも酒屋の経営状況は厳しい。さらに追い打ちをかけるものとなりうる。国税庁はそんなことは百も承知の上でこの依頼文を出しているはずである。
では、なぜにこのような文書を出したのか。
一つには、酒屋さんは国税庁の要請に対し、一部に反発はあれど多数は従うとの自負がある。
もう一つは、コロナ対策の関係省庁間の都合上、パフォーマンスとして文書を出した可能性だ。
コロナ感染の拡大阻止のために、国が一丸となって本気になってやらなければならないミッションとの想いから、泥水を被る覚悟で国税庁がこの文書を出したのであればこのような文書の出し方にはならない。
なぜなら、この依頼文の相手先は、関係団体であるからだ。
関係団体は、NHKニュースでも伝えているとおり、全国小売酒販組合中央会などの「酒税法及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」によって設立されたいわゆる「酒類業組合」である。
酒類を販売する免許業者が加入する「酒類業組合」の組織率は、今や、法律で定められた構成要件(組合地域の免許業者の三分の二)を下回っているどころか、半数を割っている組合が多数であろう。
このような団体に対して要請を出すことに対して意味を成さない。何のために要請を出したかといえば、「やってる感」を出すことに他ならない。国税庁酒税課らしいと言えばそれまでだが。
国税庁が毎年公表している「酒類の取引等実態調査」の実施状況を見てもよくわかる。安売りを反対している業界団体に対しての「やってる感」と、公正取引の指針を改定しても、それに従わず相も変わらず安売りを継続する業者。これを見れば一目瞭然、今回の要請の効き目も国税庁は端からわかっているのではなかろうかと疑う。
一つ誤算があった。
業界団体からの抗議だ。翌日7月9日には、抗議文を全国小売酒販組合中央会は出した。即座に対応するのは効き目がある。
業界団体の言う「十分な補償もない」というのも一理であるが、そもそもの感染ルートのエビデンスが示されていないのが、何よりの不満なのである。
根拠を示して発言している高橋洋一氏の「さざ波」(正確には木村盛世氏)を、根拠もなく感情論だけで弾圧してしまうこの風潮に、そろそろ限界がきていることに気が付いていないのだ。
ここまで書くと、コロナ感染が拡大することに容認と受け取られるが、そうかもしれない。現在のいわゆる「新型コロナ」が「エボラ級感染症」であればこうは言わないが、日本においては、「さざ波」ではないか。
西村大臣の金融機関に対する要請発言は、撤回されました。国税庁すでに文書が出ています。逃げられません。
この文書が、国税庁と酒類業界との分断を加速させるきっかけになるのでしょうか。
前にも書きましたが、国税庁はそれを狙っているのかもしれない。
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