国税庁が方針転換?
令和3年度当初予算(案)、令和2年度3次補正予算(案)に計上された酒類業に対する予算の概要が国税庁HPに掲載されています。
注目すべき事業が、令和2年度3次補正予算(案)に計上された「フロンティア補助金」です。
重要なのは、事業の内容ではなく、国税庁(国税局)が補助金交付を行うことです。
酒類業界と国税庁は切っても切れない関係にあります。国税庁は酒類業という業種の所管官庁です。酒類業界を指導監督する立場にあるほか、「酒類業の健全な発達」という一読しただけでは意味不明の任務を負っています。この任務により、酒類業界に対し予算を使って手厚い支援(保護)を行っています。
また、お酒の事業を行う場合に避けて通れない「免許」に関し、許可・取消の権限を有し、酒税の課税に関して取り締まる機関でもあるのです。
【業種所管と利害関係】
国の機関で補助金交付事業を行う官庁は多々あります。国税庁はそれを行ってこなかった官庁だからこそ、このタイミングで行うこととしたことに興味が湧きました。
補助金交付が意味するものは何か。
酒類業者に直接アプローチする部署は、税務署の酒類指導官と国税局の派遣調整官でしょう。某日本酒の蔵元さんが「国税局の担当者が話を聞きに来た。」とツイートしていました。たぶん国税局の身分をもった酒類業調整官と思われます。この役職の方々は業界の意見を聞いて、国税局、国税庁の施策に生かしていくという作業を行います。
また、鑑定官室という技術系の部署もあります。毎年、酒造期に蔵に出向いて酒類製造の技術指導を行います。
これらは、互いに利害関係を有していないことが前提になっています。「いやいや、国税局の職員は酒税の調査検査を行うでしょ。」と思われるかもしれませんが、彼らは酒税に関する質問検査権を持たされていません。
【そこに覚悟はあったのか】
そこで補助金を交付することになると、利害関係が発生します。
国税庁は酒類業界の所管に関しては、ものすごく執着しています。厚生労働や農水、警察庁には権限を渡す気は毛頭ないと思われていました。
利害関係が発生すると業界とのバランスが崩れますので、相当の覚悟を決めて補助金事業を予算計上したのでしょう。
覚悟を決めて計上した補助金の内容は、農水や経産が出している補助金と内容は変わらないようです。酒類業者のみが補助対象者となりますので、酒類業者にとってはありがたいことですが。
何がしたいのでしょうか。酒類業者をどこへ導くのでしょうか。
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